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梅干しは何歳から食べていいの?赤ちゃん・子どもにあげるときの注意点
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酸っぱくて塩気のある梅干し。昔ながらの健康食材として親しまれ、家庭の食卓にもよく登場します。
そんな梅干しですが、赤ちゃんや小さな子どもに与える場合、「いつから食べられるの?」「どれくらいの量なら安心?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、梅干しを子どもに与える際の目安時期や注意点などをわかりやすく解説します。梅干しを使った子ども向けレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
梅干しは何歳から食べられる?
梅干しには明確な「〇歳からOK」という基準はありませんが、一般的に安全とされるのは離乳食後期(生後9ヶ月頃)から、様子を見ながら少しずつ試すことができます。
離乳食後期にあたる9ケ月以降が目安
この時期の赤ちゃんは、いろいろな味や食材に少しずつ慣れてくる頃です。梅干しも塩抜きをした上で、ほんの少量であれば、風味のアクセントとして取り入れられます。
ただし塩分が多いため、毎日与えるのではなく、たまに使う程度がおすすめです。ごはんやうどんなどに少し混ぜて味のバリエーションを楽しむようにしましょう。
1歳未満にはハチミツ梅にも注意
梅干しの中には、ハチミツ入りの甘口タイプもあります。一見、赤ちゃんにも食べやすそうに思えますが、1歳未満の乳児には絶対に与えてはいけません。
ハチミツにはごくまれにボツリヌス菌が含まれており、未熟な腸内環境の赤ちゃんが摂取すると「乳児ボツリヌス症」を引き起こす恐れがあります。(参考: 厚生労働省公式サイト )
そのため、ハチミツが含まれている可能性のある梅干しは、1歳を過ぎてから少量ずつ与えるのが安心です。
梅干しは健康にいい?栄養素や効果について
梅干しには、健康効果が期待される栄養素がいくつも含まれています。
● クエン酸:疲労回復、食欲増進
● カリウム:むくみ解消、体液のバランス調整
● ポリフェノール:抗酸化作
ただし、塩分の高さには注意が必要です。子どもは腎機能がまだ未熟なため、少量でも塩分過多になりがち。健康によさそうだからといって、頻繁に与えるのは避けましょう。
梅干しを子どもに与える際の注意点
子どもに梅干しを与える際は、味覚の成長や体への影響を考慮して慎重に食事に取り入れることが大切です。
少量から始める
子どもが小さいうちは、濃い味付けに要注意。とくに3歳頃までの味覚形成期に強い塩味を覚えてしまうと、将来的に薄味を好まなくなる傾向があるといわれています。
また、濃い味付けに慣れた食生活は、将来的な生活習慣病のリスクも高める可能性があるでしょう。まずはごく少量から、塩抜きした梅干しを料理に混ぜる程度で十分です。
塩分量には注意!腎臓への負担軽減
子どもにとって塩分の摂りすぎは、腎臓や血圧への負担に繋がります。「 日本人の食事摂取基準(2025年版) 」によると、年齢ごとの1日あたりの塩分摂取目安は以下の通りです。
年齢 | 男子(g) | 女子(g) |
6~11ケ月 | 1.5未満 | 1.5未満 |
1~2歳 | 3.0未満 | 2.5未満 |
3~5歳 | 3.5未満 | 3.5未満 |
6~7歳 | 4.5未満 | 4.5未満 |
8~9歳 | 5.0未満 | 5.0未満 |
10~11歳 | 6.0未満 | 6.0未満 |
12~14歳 | 7.0未満 | 6.5未満 |
15歳以上 | 7.5未満 | 6.5未満 |
一般的な梅干し1粒には約2gの塩分が含まれており、小さな子どもにとっては1,2粒食べただけでも1日分の食塩摂取量目安を超える可能性があります。
また、1日の食事全体の塩分バランスにも注意しましょう。減塩タイプの梅干しや、水に浸けて塩抜きをするなどの工夫が必要です。
梅干しの種を取り除き誤飲を防ぐ
子どもに梅干しを与えるときは、必ず種を取り除くようにしましょう。
丸ごとの梅干しを与えてしまうと、誤って種を飲み込むリスクがあり、窒息などの事故につながる恐れもあります。また、硬い種を噛んで歯が欠けてしまうケースもあるでしょう。
はじめから種なし梅干しを選ぶのも安全な選択です。
~離乳食完了期~梅干しを使った簡単レシピ
梅干しは、塩抜きすることでやさしい味わいになり、離乳食完了期(1歳頃)以降の子どものメニューにも取り入れやすくなります。塩抜きは、梅干しを水に1晩つけておけば作業完了です。
ここでは、塩抜きした梅干しを使った簡単なレシピを2つご紹介します。
梅干しとわかめのうどん
ほんのり酸味が食欲を刺激する、体にやさしい梅風味うどん。離乳食完了期にもおすすめの一品です。
【材料】(1人分/対象:1歳頃~)
● ゆでうどん(短く切ったもの)…80〜100g
● 塩抜きした梅干し…1/4〜1/2個
● 乾燥わかめ…小さじ1
● だし汁…150ml
● 醤油…ごく少量
● お好みで:水溶き片栗粉(とろみづけ用)…適量
【作り方】
1. 梅干しは種を取り除き、ペースト状にしておく
2. わかめは水で戻して柔らかくなったら刻んでおく
3. 鍋にだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら梅干しとわかめを加える
4. うどんを加えてひと煮立ちさせ、具材に火が通ったら味見。必要であれば醤油をほんの少し加える
5. とろみをつけたい場合は、水溶き片栗粉を加えて軽く混ぜて完成
梅干しとしらすの炒飯
カルシウム豊富なしらすと梅干しの旨みで、ごはんが進むやさしい炒飯。少量の油で炒めるので、離乳食完了期にもおすすめ。
【材料】(1人分/対象:1歳頃~)
● ごはん…80〜100g(やわらかめ)
● 塩抜きした梅干し…1/4〜1/2個
● 釜揚げしらす…大さじ1〜2
● 小松菜(またはほうれん草など)…20g
● サラダ油(またはごま油)…小さじ1/2程度
【作り方】
1. 小松菜はやわらかくゆでて、細かく刻んでおく
2. フライパンに油を熱し、梅干しとしらすを炒めて香りを立たせる
3. 小松菜を加えてさらに軽く炒める
4. ごはんを加えて全体を混ぜるように炒める
5. 味見して、ほんの少しのしょうゆを加えてもOK。火を止めて完成
梅干しは1歳を過ぎたら少しずつ試すのがおすすめ
梅干しは、古くから親しまれてきた日本の伝統的な食材です。とはいえ、塩分や酸味が強く、小さな子どもの体には刺激が強すぎることも。
与えるタイミングや量に注意しながら、9ヶ月以降の離乳食後期からごく少量を試し、1歳を過ぎてから徐々に取り入れていくのが安心です。とくにハチミツ梅や、種の誤飲には十分注意しましょう。
塩抜きや減塩タイプの活用、炒飯やうどんなどへのアレンジを通じて、子どもが安心して日本の味に親しめる機会をつくってみてくださいね。