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梅干しには塩分がどれくらい含まれる? 1個あたりの塩分量や減塩の仕方をご紹介

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古くから保存食として親しまれてきた梅干しは、日本人の食卓に馴染み深い食べ物のひとつです。そのまま食べたり、料理に加えたり、アレンジしてデザートにしたりと、さまざまな方法で楽しむことができます。日頃から好んで食べているという方も多いのではないでしょうか。 

しかし、梅干しには塩分がたくさん含まれています。たくさん食べすぎると塩分過多につながる可能性も捨てきれないため、食べる際は注意が必要です。 

ここでは、梅干しに含まれる塩分量の目安や、梅干しの塩分を抑える方法などをご紹介します。 

梅干しに含まれる塩分量はどれくらい? 


 

梅干しは、梅の実をたくさんの塩に漬け込んで作ります。どれくらいの塩分が含まれているのか、気になる方は多いかもしれません。 

一般的な梅干しの塩分量や計算方法をご紹介するので、参考にしてみてください。 

梅干しの塩分量 

梅干しに含まれる具体的な塩分量は、商品や作り方によって異なります。文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」や食品成分データベースによると、一般的な梅干し100g(可食部のみ)の塩分量は以下の通りです。※1

・塩漬け:可食部100gあたり18.2g 
・調味漬け:可食部100gあたり7.6g 

また、塩漬けや調味漬け梅干しの廃棄率(通常の食生活において廃棄される重量の割合)は25%とされています。梅干しで食べない部分は種だけなので、梅干しの重量の4分の1は種に当たるということです。 

例えば、1粒16gの梅干しがあった場合、4gが種で残りの12gほどが可食部になります。作られ方などにもよりますが、可食部が12gある梅干しの場合、食塩相当量は塩漬けで約2g、調味漬けで約1g弱です。 

※1 出典:文部科学省『日本食品標準成分表2020年版』 
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html 

具体的な塩分量の計算方法 

梅干し1粒に含まれる具体的な塩分量が知りたい場合は、塩分濃度から計算することができます。市販品の梅干しにはパーセント(%)表記で塩分濃度が記載されているものが多いので、知っておくと便利です。 

【梅干しに含まれる塩分量の計算方法】 

塩分量(g)=梅干しの重さ(g)×塩分濃度(%) 

例えば、総重量10g(種の重さ2.5g、可食部7.5g)で、塩分濃度10%の梅干しがあった場合、1個当たりの塩分量は7.5g×10(%)で0.75gということになります。

1日分の塩分摂取量の目安

 

塩分の摂りすぎは、高血圧といった生活習慣病にかかりやすくなるなど、体に悪影響を与えるといわれています。塩分の量が高い梅干しを食べる際は、食べすぎに注意が必要です。 

厚生労働省では、健康な成人の男女が目標とする1日当たりの塩分摂取量を以下のように定めています。※2 

 ・成人男性:7.5g未満 
 ・成人女性:6.5g未満 

ただし、平成 30 年国民健康・栄養調査結果によると、日本人の食塩の平均摂取量(1日あたり)は男性が11g、女性で9.3gと、目標量を上回っているのが実情です。※3 

目標とされる塩分摂取量を目指すには、食事に気を遣う必要があります。 

※2 出典:厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年)』 
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586565.pdf  

※3 出典:厚生労働省『平成 30 年国民健康・栄養調査結果の概要』 
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000688863.pdf   

梅干しは1日どれくらい食べられる? 

 

梅干しを1日に何個食べられるかは、それ以外の食生活にも左右されます。塩分量が多い醤油や塩などの調味料を市販の調味梅干しに置き換えるなどの工夫を行えば、減塩しながらおいしく食べられるということです。 

例えば、チャーハンを例にすると、基本的な塩分量はご飯200gにつき1%といわれていますが、梅干しを具材として活用すれば、塩味や酸味でしっかりと味がつきます。標準の調味梅干しの場合は、2粒ほどチャーハンに混ぜれば、塩を使わなくても十分に味を調えることが可能です。 

梅干しには、疲労回復に役立つクエン酸など、さまざまな成分が含まれています。過剰摂取には注意する必要があるものの、上手に活用すれば毎日食べても問題はありません。

​​​梅干しの塩抜き方法

 

昔ながらの梅の実と塩だけで作った自家製梅干し(白干し梅)の場合は、「塩抜き」を行うことで塩分を控えることができます。 

塩分が控えめな減塩のタイプの梅干しを購入するのも、梅干しから摂取する塩分を抑える方法のひとつですが、自宅で梅干しを作っている場合は塩抜きの方法も覚えておくと便利です。 

酸っぱさやしょっぱさが強く食べにくい場合も、この方法で味を調整することができます。 

【梅干しの塩抜きの方法】 

1.塩をひとつまみ加えた水に、梅干しを漬ける 

2.梅干しが傷むのを防ぐために冷蔵庫に入れ、30分から数時間ほど放置する 

梅干しを水に漬ける時間を長くするほど、塩分をしっかり抜けます。 

ただし、長時間水に漬けると風味も抜けてしまい、水臭い味わいになってしまう点に注意が必要です。保存性も落ちるため、すぐに食べ切れる分量だけ塩抜きを行うようにしましょう。 

また、市販の調味梅干しはお酒やお酢、調味料などを利用して、味付けをしながら塩分を抜いています。自家製の白干し梅ではなく、調味梅干しの塩抜きを行うのは難しい点にも注意が必要です。 

​​​減塩梅干しの作り方 

 

一般的に、昔ながらの梅の実と塩だけで作る白干し梅の場合は、梅の重量に対して20%ほどの塩を使います。 

ここでは、使用する塩の量を抑えた梅干しの作り方をご紹介します。使用する塩分の量は、梅の重量に対して調整してください。例えば、梅1kgを使って塩分10%の梅干しを作る場合は100g、塩分8%にしたい場合は80gの塩が必要です。 

【用意する材料】 

・熟した梅の実 

・粗塩 

・アルコール度数が高い焼酎やホワイトリカーなど(35度以上) 

・密閉できる容器 

・竹串 

・落とし蓋(大きな平皿でも代用可能) 

・重石 

・ざるやネット 

【梅干し作りの手順】 

1.道具類は焼酎をかけるなどして消毒を行う 

2.梅の実を丁寧に水で洗い、ヘタを竹串で取る 

3.容器に塩と梅を交互に敷き詰めたら、落とし蓋をして重石をのせる 

4.容器に蓋をしたら、梅酢が上がって塩が溶け切るまで冷暗所で置いておく 

6.漬けこんだ梅を取り出して天日干しを行う 

7.保存用の瓶に入れ直して冷蔵庫に入れ保存する 

通常の梅干しに比べて、塩分が少ない分カビが生えやすい点に注意が必要です。梅酢が出るまでは冷暗所で保管し、その後は食べ切るまで冷蔵庫内で保存するようにしましょう。 

​​​梅干しの塩分量に気を配ろう  

昔ながらの方法で作った自家製梅干しは、基本的には塩分濃度が高いです。食べる前に塩抜きを行うなど、うまく調整して楽しむようにしましょう。市販品の梅干しの場合は、減塩タイプのものを選ぶのもおすすめです。 

また、はちみつやかつお節などの調味料で味付けされている調味梅干しは、梅の味を残しながら塩分を下げるように工夫されています。塩の代わりに梅干しを使って酸味と塩味を料理にプラスするなど、減塩につなげることも可能です。 

塩分摂取量が気になるものの、梅干しがお好きという方は、今回ご紹介した内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。 

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