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梅干しが酸っぱいのはなぜ?酸っぱい梅干しの見分け方や塩味を抑える方法を解説

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白米のお供やお茶漬けの具材など、梅干しは日本食の定番食材のひとつです。はちみつで甘みを加えられたものや、調味料を加えて味を調整されたものなど、さまざまな種類がありますが、やはり梅干しといえば酸っぱさやしょっぱさが特徴的な食べ物というイメージが強いかもしれません。 

しかし、梅干しはなぜ酸っぱいのでしょうか。ここでは梅干しが酸っぱい理由や昔ながらの酸っぱい梅干しの選び方、梅干しの塩味を和らげる方法などをご紹介します。 

梅干しが酸っぱいのはなぜ?

近年は甘い味付けのものも増えていますが、梅干しといえば酸っぱい味わいが特徴のひとつです。 

梅干しが酸っぱい理由は、梅の実に含まれている「クエン酸」という成分にあります。クエン酸は、レモンやグレープフルーツといった柑橘類にも含まれている酸味のもととなる成分です。疲労回復につながったり、お肉や魚を柔らかくしたり、生臭さを中和して臭みを消したりする効果もあります。 

クエン酸は梅の実を塩漬けにしたり天日干ししたりしても残り続けます。そのため、梅干しを食べると口をすぼめてしまうような酸っぱさを感じるのです。 

また、梅干しはもともと保存食なので、昔ながらの製法で作られたものは塩分濃度が高い点も特徴です。伝統的な製法で作られた梅干しなら酸っぱさやしょっぱさを強く感じることができます。 

酸っぱい梅干しの見分け方

梅干しといっても、昔ながらの塩だけで作った梅干しや、はちみつ漬けや調味料を添加した調味梅干しなど、さまざまな種類が販売されています。酸っぱい梅干しを見分けるためには、どのような点を確認すれば良いのでしょうか。 

酸っぱい梅干しを購入する際に確認したいポイントや、見分け方をご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。 

梅の漬け方 

酸っぱい梅干しを選ぶ際には、梅の漬け方に注目するのがポイントです。 

塩だけを使って梅を漬ける昔ながらの「白干し梅」は酸味と塩味が強く、梅干しならではの強烈な酸っぱさを楽しむことができます。塩分濃度が高いため保存性に優れている点もメリットです。 

味が濃いので、煮物などの料理に使ったりお茶漬けの具にしたりして食べると良いでしょう。 

また、赤紫蘇で梅を着色した「紫蘇漬け」も梅の酸っぱさと紫蘇の爽やかな風味を楽しむことができます。 

一方で、減塩タイプやはちみつ漬け、かつお梅など調味料を混ぜて作られた「調味梅干し」は、甘さが加えられていて酸っぱさが控えめなものが多いです。 

梅の漬け方に加えて、「昔ながらの」や「酸っぱい」、「クエン酸が豊富」など、商品に記載されたキャッチコピーを酸っぱさの参考にすることも可能です。 

酸っぱい梅干しを楽しみたい場合は参考にしてみてください。 

梅の品種によっても酸っぱさが変わる 

梅を購入する際は、梅の産地や種類も確認しておきましょう。梅の種類としては、全国トップの収穫量を誇る和歌山県産の「紀州南高梅(きしゅうなんこううめ)」が特に有名です。大粒で肉厚、皮が薄いのが特徴で柔らかな食感の梅干しを楽しめます。 

他にも、果肉が厚くしっかりしている群馬県の「白加賀梅(しらかがうめ)」や、鮮やかな紅色が特徴的な福井県の「紅映(べにさし)」など、有名な産地やブランド梅は日本各地に存在します。 

それぞれ品種によって味わいなどに個性があるため、食べ比べてみるのも良いでしょう。 

減塩タイプを選ぶのも手 

塩だけで漬けた昔ながらの白干し梅の場合、塩分濃度は20%ほどになります。健康を意識して塩分の摂取量を控えたい場合は、減塩タイプと呼ばれる塩分濃度が低い梅干しを選ぶのもおすすめです。 

減塩タイプの梅干しは酸っぱくないのではと思われるかもしれませんが、塩分濃度が低いものでもしっかり酸っぱさやしょっぱさを感じられるタイプの商品もあります。 

塩分が気になるものの昔ながらの酸っぱい梅干しが食べたいという方は、減塩タイプで酸っぱい味わいのものを探してみるのも良いでしょう。 

ただし、減塩タイプは塩分濃度が低い分、白干し梅よりも保存期間が短い傾向にあります。期限内に食べ切れる量かどうかを確認しておくと安心です。 

酸っぱい梅干しの作り方

市販品を購入するのではなく、自宅で梅干し作りにチャレンジしてみるのもおすすめです。使用する塩の量などを加減して味わいを調整できるので、自分好みの酸っぱい梅干しを楽しめます。 

昔ながらの白干し梅の場合は、以下のアイテムがあれば作ることが可能です。 

【梅干し作りに必要な材料や道具】 

・黄色く熟した梅の実 

・塩(梅の重さに対して20%ほど) 

・アルコール度数が高い焼酎(35度以上)など、消毒用のアルコール 

・ガラスや琺瑯(ホーロー)などでできた密閉できる容器 

・竹串または爪楊枝 

・落とし蓋(大きな平皿でも代用可能) 

・重石 

・天日干し用のざるやネット 

【梅干しを作る手順】 

1.道具類は焼酎をかけるなどして消毒を行う 

2.梅の実を丁寧に水で洗い、ヘタを竹串で取る 

3.容器に塩と梅を交互に敷き詰めたら、落とし蓋をして重石をのせる 

4.容器に蓋をしたら、梅酢が上がって塩が溶け切るのを待つ 

5.漬けこんだ梅を取り出して天日干しを行う 

6.保存用の瓶に入れたら完成 

梅干しが酸っぱい場合の対策方法

場合によっては、自家製の梅干しが酸っぱすぎたり、しょっぱすぎたりして、食べられないということもあるでしょう。白干し梅の場合は、塩抜きを行って塩分を抜けば酸っぱさやしょっぱさを和らげることができます。 

塩抜きの方法は、以下の通りです。 

【塩抜きの方法】 

1.塩をひとつまみ加えた水に、梅干しを漬ける 

2.梅干しが傷むのを防ぐために冷蔵庫に入れ、30分から数時間ほど放置する 

水に漬ける時間を長くするほど、塩分をしっかり抜くことができます。この方法で塩分を抜きすぎると梅干しの味わいも抜けてしまい、水臭い味わいになってしまう点に注意が必要です。塩抜きをすると保存性も落ちるため、すぐに食べ切れる分量だけ塩抜きを行うようにしましょう。 

はちみつに漬けて甘みをプラスする方法でも、梅干し特有の酸っぱさを和らげることができます。 

ただし、市販の調味梅干しはお酒やお酢、調味料などを利用して、味付けをしながら塩分を抜いています。自家製の白干し梅ではなく、調味梅干しの塩抜きを行うのは難しい点にも注意が必要です。

自分好みの梅干しを楽しもう

梅干しは、作り方や使用する調味料の量、種類などによって味わいが変わります。昔ながらの酸っぱい梅干しを食べたいという方は、塩だけで漬けた白干し梅を選んだり、家庭で漬けたりしてみてはいかがでしょうか。塩分濃度が高い梅干しは保存性に優れているので、長期間保存することもできます。 

自家製の白干し梅が酸っぱすぎる、しょっぱすぎるという場合は塩抜きをして塩分濃度を下げてみるのも良いでしょう。 

自分好みの味わいの梅干しを見つけて毎日の習慣にしてみてはいかがでしょうか。 

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