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「梅干しの楽しみ方を変えた調味梅干を現代でも広く届けるために。老舗梅干しメーカーの挑戦」

  • 企業活動
8月2日、商品の開発秘話や創業ストーリーなど企業・団体内に秘められた背景を当事者自ら公式発信できるサービス「PR TIMES STORY」に、投稿を行いました。

|中田食品株式会社のストーリー|PR TIMES STORY|

「梅干しの楽しみを変えた調味梅干を現代でも広く届けるために。創業125年を超える老舗梅干しメーカーの挑戦」をテーマに、中田食品の歴史に沿って、生産農家との歩みや調味梅干の誕生から時代に合わせての変遷、これからの取り組みについて書かせていただきました。


調味梅干というカテゴリーの誕生。酸っぱい梅干しから、裾野を広げた大きな発見。

和歌山県は去年で58年連続、梅の生産量が日本一となっており、全国の約65%以上という市場シェアを誇る産地となります。
ただ昔から生産量が多かったわけではなく、70年ほど前には5%程度だったものが、梅の優良品種「南高(なんこう)」の誕生と、この地域で発展した高品質な梅干しを作る梅農家の技術のおかげで、多くのお客様に選ばれる梅干しとなり需要を増やしてきました。
薄皮で柔らかな梅干しを作るためには、樹上で完熟した南高梅を塩漬けすることが重要です。南高梅であっても、手もぎの青梅や追熟して黄色くなった梅では皮が硬い梅干しになってしまいます。そこで、紀州の梅産地では梅農家に塩漬けの一次加工を担っていただき、梅加工メーカーは梅農家で塩漬け・天日干しされた「白干梅」を仕入れ、脱塩、味付けの二次加工を行ない、商品をお客様へお届けしております。
 

調味梅干の誕生と時代に合わせて変化してきた調味梅干の変遷。

調味梅干の誕生は今から約60年以上前まで遡ります。そして現在も弊社の看板商品である「梅ぼし田舎漬」は今から56年前に誕生しました。
和歌山県南部の郷土料理でもある青み魚の梅煮に使われる酸っぱい梅干しをヒントに作られた、梅の酸味とかつお節のまろやかな旨味がバランスよく調和した「梅ぼし田舎漬」の味わいは口コミで全国に広がり、お問い合わせが殺到したことが後の弊社の通信販売につながっていきました。
そして、調味梅干の誕生以来、地域の梅加工メーカーが様々な工夫を凝らした梅干しを生産するようになり、現在でも続くような人気の調味梅干しが次々と生まれましたが、その頃は低塩化の技術も未熟な為、塩分は10~15%程度のものが主流でした。
その後、製造工程での衛生管理や菌を抑制する品質管理の効果もあり、20年前に現在弊社人気No.1商品の塩分5%の「しらら」が誕生し、スーパーや土産物店、通信販売などで塩分5~8%程度の商品が多く見られるようになりました。
こういった環境の中、現在の梅干し製品は塩分20%以上の「白干梅」、店頭での主力商品である塩分5~8%程度の「調味梅干」、塩分4%以下の「減塩梅干」という大きく分けると3種類の塩分値に分類されます。
 

誕生から約60年を経て調味梅干が直面する課題。一次加工への進出やITを活用して乗り越えるために。

しかし近年、和歌山の梅産業の問題となっているのが梅農家と高齢化と後継者不足です。
中田食品としても共存共栄の精神のもと、生産者の作業負担を一部軽減できるよう、青梅の塩漬け作業や天日干し作業を効率的に行える漬け込み工場を整備し、匠の技を持つ梅農家の漬け込み技術を自社でも再現できるようにIT機器を導入し、DX化に取り組んでいます。
 

日本が誇る健康食品「梅干し」を時代に合わせて広い世代へ届けるために。

また、今年の初め「若者の梅干し離れ」のニュースが話題になりましたが、弊社ではSNSを通じた情報発信や、管理栄養士さんとのレシピ開発、他の食品メーカーとの企業コラボなどいろいろな取り組みを行っているところです。

梅干しはおにぎりや日の丸弁当などに代表されるよう日本のソウルフードであり、主産地である和歌山県の梅干しメーカーとしてはこのすばらしい健康食品を今後も日本人の食卓に残していけるよう、弊社としても安心安全で美味しい商品を、これからも皆様にお届けいたします。